【日本沈没2020】Netflix全10話 観終わっての感想
小松左京のSF小説【日本沈没】を現代に置き換えてアニメ化したと話題になったNetflix【日本沈没2020】を観ました。1話25分で全10話です。
1973年に映画館で観た【日本沈没】の面白さ、あの頃の世紀末的映画の数々を、新鮮に楽しめたその感覚が、アニメではどんなふうに描かれるのか興味がありました。
アニメという事があっても、お話の面白さは変わらない。面白いものは面白いはず。
でも、残念ながら、最後までやっと観たという感じ。
大変な事が起こっているのになんだか簡単に次の展開。リアルな大変さと非現実的な展開がうまく混ざっていません。ご都合主義な幸運が次々とやってきて違和感があります。
10話という長いスパンにしている事で描かれるエピソードにも無理やり感があり、登場人物の目線というお話の趣旨にしても、もう少し全体がどうなっているのか知る事ができなければ、絶望感や恐怖が伝わってきません。本当にそんな事が起こったら、大混乱な中で人々はどうやって現状を知っていくのでしょうか。行動の目的性も弱い気がします。
主人公達の置かれる状況、描かれる内容のリアル感とフィクション感の濃度の違いを感じます。
救世主のように現れるカイトも登場人物的には面白いのですが、単に賢い強運の持ち主で頼りになるという以上に急に超人になったりする事が、なんか変と感じさせます。
アニメだからこそできる事をしたかったのかもしれませんが、だとしたらお話を一から組み直す必要がある気がします。10話という長さにどんな事を入れたかったのか、あるいは10話にしなくてはいけないお話なのか。SFなのか人間ドラマなのか。
きっと、人間ドラマとして描きたかったのだろうと思うのですが、今、目の前で起こっている事が半端ないほど大変な事なので、ひとりひとりの感情の部分が多すぎると感じてしまうのかもしれません。必死に生きる事だけを追った時、どんな風に行動するのでしょうか。展開のスピード感にバラツキがあったり、時間経過などが分かり難くも感じました。
地球規模の大災害の描き方も中途半端な印象。もっと、危機感を感じさせる書き方はなかったのでしょうか。
SFなんだから、作り話なんだからと、何度も【?】と感じる部分を無視しながら観続けたという印象です。
関連記事
-
-
【シカゴタイプライター 時を越えて君を想う】軽めなスタートから切ない余韻までを感じさせる作品
★★★★☆ 2017年韓国【シカゴタイプライター 時を越えて君を想う】全16話。ベストセラー作家がア
-
-
【鳳凰の飛翔】52話53話54話 簡単あらすじと感想
2018年9月Netflixで配信が始まった中国ドラマ【鳳凰の飛翔】が面白いです。衣装、セットなども
-
-
【精霊の守り人】悲しき破壊神第6回 視聴感想
【精霊の守り人】第2シリーズの6話。一命をとり止めたバルサ。タルシュ帝国に連れていかれた
-
-
【三国志 Secret of Three Kingdoms】三国志の外伝、献帝にスポットを当てたストーリーで面白い!
【三国志 Secret of Three Kingdoms】(全54話)1話~18話をアマゾンプライ
-
-
【鳳凰の飛翔】13話14話15話 簡単あらすじと感想
2018年9月Netflixで配信が始まった中国ドラマ【鳳凰の飛翔】のあらすじと感想です。衣装、セッ
-
-
【王になった男】映画版とテレビ版!両方観ての感想!(ネタバレ無し)
【王になった男】映画版とドラマ版を観ました。【王になった男】は2013年にイ・ビョンホンが主役の2役
-
-
『美女と男子』第20話 最終回 あらすじと感想
遼の映画も完成し映画祭にノミネート! たどころも紅白に出場が決まっていよいよ最終回!たどころ(高橋ジ
-
-
【鳳凰の飛翔】58話59話60話 簡単あらすじと感想
2018年9月Netflixで配信が始まった中国ドラマ【鳳凰の飛翔】のあらすじと感想です。衣装、
-
-
【静かなる海】Netflix 月の研究施設で繰り広げられる韓国版SF!
★★★★☆2021年韓国【静かなる海】全8話。地球の水資源が枯渇しているという近未来、5年前事故が起
-
-
【椿の花咲く頃】Netflix私は1話・2話で脱落しそうになったけど最後は賞を貰っただけの事があるドラマです
【椿の花咲く頃】2019年韓国ドラマNetflix 20話をやっと観終わりました。やっとと書いたのは
Comment
dewさんの感想から推測すると小松左京の原作とは
随分違いそうですね。 原作のある映画は原作とは
異なる視点で描くべきだと私は思ってます。でも面白く
なければダメですけどね。 例えば「犬神家の一族’71」
なんかは「湖面に突き立った足」というシーンで原作を
振り切っていますよね。 「日本沈没」は原作の圧倒的な
迫力を考えると映画化は不利でしょうねえ。 最近の映画
で原作を凌駕した作品はあまりないかも・・・しいて言えば
「紙の月」くらい。宮沢りえの演技力で個性的な作品に
なているのではないかと I think。
私、原作読んでないです・・・。
ABさんのお話伺って、原作読んでみたくなりました。